飼い主の治療方針が愛猫の運命をかえるかもしれない恐怖心…
どうすればいいのかな。
猫は人間のようにしゃべることができないので
- 治療方針が間違ってるのではないか
- 猫の寿命が短くなるのではないか
- 苦しめるのではないか
など猫の終末期に悩む飼い主はとても多いです。
中でも飼い主の治療方針で猫の寿命が左右される恐怖心。とても怖いですよね。
少しでも猫が苦しまないようにするためには
- 獣医師による的確なアドバイス
- 猫の老いを知る
- セカンドオピニオンで他の獣医師の意見も聞いてみる
第三者の冷静な意見を聞いて飼い主も冷静になることが大切だと思います。
今回は猫の命を左右するのが怖い飼い主さんからお手紙をいただきました。
猫の運命をかえるかもしれない恐怖心
■ お名前 ポッキー
■ 題名 点滴にいくべきか、他の病院にいくべきか悩んでいます
■ お問い合わせ内容
にゃあこさん、初めまして。
色々悩んで、こちらのブログに行き着きました。
ポッキーは19歳、1ヶ月ほど前から食欲が落ち、脱水症状から病院で点滴と注射を受けています。黄疸も出ており、肝臓の数値が高いのですが、めちゃくちゃ高いというわけでもなく、腎臓の数値はそれほど高くありません。病院では、腫瘍があるのかもしれないが高齢なので検査はしない(してもなにもできない)方向です。
寿命といえばそうなんですが、朝夕、ごはんの催促にきます。でも食べません。たまにガツガツ少量ですが食べるときもあります。
体重は、若い頃8キロ近くありましたが、今は3キロほどです。
病院では、ごはんを食べてくれたらねえと言われているので色々工夫してみましたが、今日食べても翌日は食べないとかいう感じで、量はどんどん減っています。
ほとんど横たわっているのですが目を開けています。さわると、ゴロゴロ喉をならして喜んでいる感じです。でも寝ているわけでもなく目が開いてます。辛いのでしょうか。わからないのです。
私は、食べられなくなったら覚悟しようと思っています。延命するつもりはありません。
でも、寿命だから食べないのか、他の病院で診てもらって、なんらかの処置をしたら食べられるようになるのかわかりません。
私の判断で猫の運命が決まるのかと思うと怖くてたまりません。
見ず知らずの方に、このようなメッセージを送ってすみません...。
ポッキーちゃんの飼い主さん、初めまして。19才のポッキーちゃんは、飼い主さんにとても大切にしてもらったからこそ長く生きてこられたんですね。
ほぼ横になっているのに眼をあけているのは、もしかしたら眼が見えてないのかもしれないし、夢の中にいるような状態なのかも。
触るとゴロゴロ~と反応してくれるということはポッキーちゃんのペースで治療できていると思います。
もちろん、しんどい時もゴロゴロと喉を鳴らしますが。ポッキーちゃんの場合は「飼い主が側にいてくれて嬉しいよ」と言っているような気がします。
老衰とは、楽にいけるように体が準備している状態です。
人間も動物も、その時がきたら食欲がなくなるようになっていて体の中を空っぽにします。
体に栄養を吸収する力がなくなるからです。
食べると便がたまります。健康な時の排便は苦痛を伴いませんが終末期になると便を出す力がなくなり、とても苦痛(体の中に大きな石がある感覚)で不快になるのです。
点滴で水分を摂取するのも、ある日突然吸収されなくなるので、それが止め時かなと思いますよ。
終末期は猫が自分のペースで口から飲むのが体に負担がなく自然です。
飼い主さんの判断で猫の運命が決まってしまうのが怖いということなのですが…飼い主さんはすごく頑張ってポッキーちゃんの治療をしてこられたのではないですか?
それに対してポッキーちゃんが嬉しそうにゴロゴロ~と喉を鳴らしてくれている。幸せな時間を過ごしているということです。
ポッキーちゃんの飼い主さん、怖がらないでください。ポッキーちゃんは飼い主さんがどんな選択をしても受け入れてくれますよ。
猫の治療方法が不安ならセカンドオピニオン
最後は飼い主自身が決めるしかないのだけれど。
かかりつけの獣医師以外の意見を冷静に聞いてみると不安も減ると思いますよ。
延命するだけにこだわらないで
- 老衰なのか
- 治療したら治るのか
- 治療は猫の負担にならないのか
- 余命など
他の獣医師の意見も聞いてみてください。
高齢になるとほとんどの人間、動物はがんになりますが、老衰のほうが先にくるので猫ちゃんが高齢の場合は無治療が一般的です。
見ず知らずの私のブログを見てお手紙をくれてありがとうございます。少しでもお力になれるといいのですが。
ポッキーちゃんが苦しみませんように。
ポッキーちゃんのその後セカンドオピニオンにて治療
■ 題名 ポッキーその後
■ お問い合わせ内容
にゃあこさん、温かいお言葉本当にありがとうございます。家族以外で、猫の生死にかかわる話を聞いてもらえるというのは本当に有り難いです。
その後、食欲が出てきたので、点滴なしで一週間過ごしましたが、全く食べず飲まず、尿もでない日が2日続き、怖くて、いつもの病院がお休みだったので少し規模の大きい病院に行ってしまいました。
そして検査してしまいました。いつもの病院で、負担がかかるからやめておこうと決めたのに。
結果、胆管肝炎と口内炎でした。
腫瘍もなく、他に悪いところはないので、
去年出た新薬とステロイドを使えば、劇的に良くなる可能性はある。しかし高齢なので、一挙に弱る可能性もある。点滴と注射で過ごすのも間違ってはいない。どうするかは飼い主さん次第です。と言われました。新薬は高額で点滴と強制給餌で毎日通院か入院。
通院で3日5万円かかります。
入院はさせられない、仕事で昼間いない日もあるけど、通院で5日間頑張ってみることにしました。
今日、3日めです。
食欲は、昨日はホタテ貝柱3個とドライフード大さじ1ぐらい食べましたが、今日は口が痛くて食べられない風です。
体温が下がってきていて、何もしなければ1週間ぐらいかもしれないと言われました。
点滴のとき、最近はすごく鳴きます。毎日何本も針を刺して辛いと思います。もうやめてほしいのかもと思います。病院での強制給餌を呑み込めなくなったら治療をやめようと思います。なかなか覚悟できません。情けない飼い主です。
私と同じような方々の参考になるかもと思い投稿しています。
長々と聞いてくださりありがとうございました。
大きな病院で詳しい病名がわかったのですね。
5日も通院大変ですね。飼い主さんもバテてしまわないように気を付けてください。
高齢な猫ちゃんが知らない病院で飼い主さんと離れるのは色んな意味で不安があるので通院でいいと思います。
新薬の効果がでてポッキーちゃんが回復しますように。
エンジェルタイムを治療だけの時間に使ってしまわないようにしてあげてね。
ポッキーちゃん5日間の治療を終えて
■ お名前 ポッキー
■ 題名 ポッキーその後②
■ お問い合わせ内容
にゃあこさん、こんにちは。
ポッキーは、まだ頑張ってます。
5日間の投薬を終え、病院にいく日、取り寄せてみた新しいフードをガツガツ食べたのです。すっかり嬉しくなって、病院に報告しました。
診察された先生は、あまりよくなっているようには見えないけど、食べたのならあと少し様子を見て血液検査しましょう。数値が下がってなければどうするか考えましょう。と言われました。
その日は注射せず、強制給餌もなく、点滴だけにしました。
朝起きると、昨日のフードを全部吐いていました。ああ、吸収できないんだと思いました。具合も悪そうで、うつろな眼で横たわっています。手足も冷たく、よだれも出ていて、ついにきたかと思いました。
その日は、会社を休んで見守りました。病院にもいかず、ポッキーの大好きな息子(人間)と川の字になって寝ました。
すると、夜中すぎあたりから、目に力が戻り、歩いたり、ゴロゴロ喉をならしたりと元気そうになったのです。ご飯は、ささみを少し食べました。水は自分で飲まないのでシリンジであげると飲みます。
次の日も同じような感じで、やはりささみは吐いてしまい、うんちがでなくて苦しいようで何回もトイレにいきんで、ヘロヘロになっています。
治療も点滴もやめ、看取る覚悟をきめたはずが、あまりに可哀想で、病院にいって浣腸と点滴をしてもらうか悩み、昨夜も川の字で寝ました。
今も、横たわっていますが、目に力はあり、さわると喉をならしています。うんちがでたのかどうかは、私のウトウトしている間にいったのか(同居猫がいるためトイレで確認できず)わからないです。
トイレにいきたいそぶりは今はありません。立ち上がって体勢を替える元気があります。
また悩んでしまいます。
お手紙読ませていただきました。病院の先生によると、状態はあまりよくなってないと言われているのですね。
フードを与えても吐いてしまうのは、もう栄養を吸収する力がないのでしょうね。吐くのは体力をとても消耗します。
浣腸はどうなんだろう?終末期になるとウンチを出す力すらなくなって苦しいのです。
人間の場合は肛門の入り口のほうに便が詰まって便秘になるので、入り口の便を指で掻き出して取り出します。
ポッキーちゃんのことなんですが、今かかりつけの獣医師にどんな感じなのか冷静に聞いてみてくださいね。
私の考えを言いますが、ポッキーちゃんはもうエンジェルタイムに入ってるような気がします。
猫ちゃんはね、自分のことより飼い主さんを心配してるんだよ。
かわいそうに見えるかもしれないけれど、ポッキーちゃんは治療より飼い主さんと最後の時間を穏やかに過ごしたいんじゃないかな。
どうか気を強く持ってくださいね。私もついてるから。