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高齢猫の夜鳴き、その原因を考える

高齢猫の夜鳴き、その原因を考える


夜中に突然はじまる高齢猫の大きな鳴き声に、戸惑ってしまう飼い主さんは少なくありません。

「何をしてほしいのかわからない」
「気持ちをわかってあげられなくてつらい」
「近所迷惑にならないか心配」
「猫に起こされて、もう何日も眠れていないわ」

そんなふうに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

ひとことで「猫の夜鳴き」といっても、その様子はさまざまです。飼い主さんに向かって鳴き続ける場合もあれば、人のいない場所へ行って、悲しそうに大きな声で鳴くこともあります。

さらに、鳴くだけでなく、夜中に急に走り回ったり、激しく爪とぎを始めたりするなど、行動の変化として現れることもあります。

高齢猫は昼間に眠る時間が長くなり、夜に眠りが浅くなることがあります。とはいえ、「昼に寝ているから夜に元気なんだろう」と決めつけるのは危険です。

夜鳴きや夜間の興奮の背景には、病気や体の不調、不安が隠れていることもあるからです。

高齢猫の夜鳴きで考えられる主な原因

1. 痛みや不快感を訴えている

関節炎やがん、内臓の病気などによって痛みがあると、不安やつらさを訴えるように鳴くことがあります。

また、高齢猫に多い慢性腎臓病甲状腺機能亢進症糖尿病などでは、多飲多尿がみられることがあります。

夜中にトイレへ行きたくても、関節の痛みなどでスムーズに動けず、飼い主さんを起こそうとして鳴いている可能性もあります。

2. 甲状腺機能亢進症や高血圧で落ち着かない

高齢猫に多い病気のひとつに甲状腺機能亢進症があります。
この病気では、落ち着きがなくなる、よく鳴く、活動量が増えるといった変化が出やすくなります。

また、慢性腎臓病などが原因で高血圧になっている猫でも、夜間に鳴く行動が目立つことがあります。

「最近やけに元気」「年齢のわりによく動く」と感じる場合でも、実は病気が隠れていることがあるため注意が必要です。

3. 寒さで眠れない

高齢になると筋肉量が落ち、代謝も低下するため、若い頃より体温が下がりやすくなります。
そのため、寒さを感じやすくなり、夜に落ち着いて眠れないことがあります。

湯たんぽを使うのもいいですね。湯たんぽの上に毛布を敷いて、直接あてないでね。

特に慢性腎臓病のある猫では、低体温になりやすいことも関係しているかもしれません。

4. 認知機能の低下による不安

高齢猫では、認知機能の衰えが夜鳴きにつながることもあります。不安が強くなったり、睡眠のリズムが乱れたりして、夜中に鳴くようになるケースがあります。

昼夜逆転のような状態になり、夜になると不安が強まって鳴くこともあります。

飼い主さんができる夜鳴き対策

1. まずは病気の可能性を考えて受診する

高齢になると、猫も人と同じようにさまざまな不調が出やすくなります。がん、慢性腎臓病、糖尿病、関節炎、甲状腺機能亢進症など、夜鳴きの背景に病気があることは珍しくありません。

まず大切なのは、動物病院で診てもらうことです。
定期的な健康診断や血液検査によって、病気を早めに見つけられる場合があります。

すでに通院中の猫でも、「最近夜によく鳴くようになった」「落ち着きがない」などの変化があれば、必ず獣医師に伝えましょう。

特に甲状腺機能亢進症は、活動性が上がるため「元気になった」と勘違いされやすい病気です。血液検査で甲状腺ホルモンの値を調べることで確認できます。

2. 夜鳴きしにくい環境を整える

夜鳴きに対して、そのたびに反応していると、猫が「鳴けばかまってもらえる」と学習してしまうことがあります。その結果、さらに鳴くようになることもあります。

ただし実際には、飼い主さんの睡眠不足や近隣への配慮を考えると、完全に無視するのは難しいものです。だからこそ、鳴く前に不安や不満を減らす“先回りの工夫”が大切になります。

安心して眠れる環境づくりの例

  • ドアの開閉音や足音が響きにくく、冷えにくい場所に寝床を用意する
  • ふかふかで寝心地のよいベッドを置く
  • 仲の悪い猫がいる場合は、寝る場所を離す
  • 飼い主さんの寝る場所の近くに猫の寝床を作り、安心感を与える
  • 毎日なるべく同じ時間に消灯し、生活リズムを整える

「お腹がすいた」の催促に備える工夫

  • 寝る前に少量の食事を与える
  • 自動給餌器を利用して、明け方に少量のフードが出るように設定する
    ※その場合は朝ごはんの量を調整しましょう

3.必要に応じてサプリメントや薬を検討する

環境を整えても改善しない場合、不安をやわらげたり、眠りを助けたりするための方法を検討することがあります。

高齢猫の夜鳴きには、不安が背景にあるケースも少なくありません。そうした場合、動物病院では不安の軽減を目的とした薬が使われることがあります。

また、補助的な選択肢として、ミルク由来成分を含むサプリメントが用いられることもあります。たとえば、GABA受容体に働きかけるとされる成分を含むサプリメントは、不安行動のサポートとして短期・長期の両方で使われることがあります。

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ただし、こうした製品や薬は自己判断で使わず、必ず獣医師に相談したうえで取り入れることが大切です。夜鳴きの原因によって、合う対策は大きく異なります。

夜鳴きは「年のせい」と決めつけないで

高齢猫の夜鳴きは、単なる加齢だけでは説明できないことがあります。
痛み、病気、不安、寒さ、認知機能の低下など、さまざまな要因が重なっていることも少なくありません。

「昼間よく寝ているから」
「年を取ったから仕方ない」

そう思い込まずに、まずは体調や生活環境を見直してみることが大切です。

飼い主さんが少しでも早く原因に気づいてあげることが、猫のつらさを軽くし、穏やかな夜を取り戻す第一歩になります。

まとめ

高齢猫の夜鳴きには、次のような原因が考えられます。

  • 関節炎や内臓疾患などによる痛みや不快感
  • 甲状腺機能亢進症や高血圧による興奮
  • 寒さによる寝つきの悪さ
  • 認知機能の低下による不安や睡眠リズムの乱れ

対策としては、まず動物病院で病気の有無を確認し、そのうえで安心して眠れる環境づくりや食事の工夫を行うことが重要です。必要に応じて、サプリメントや薬によるサポートが役立つ場合もあります。

夜鳴きは、猫からの「何かつらい」「落ち着かない」というサインかもしれません。鳴き声だけに注目するのではなく、その背景にある理由に目を向けることが、いちばん大切です。

高齢猫のケアは、睡眠環境・食事・痛みの管理・認知機能の変化が全部つながっています。

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