さばねこさんからお手紙いただきました
差出人: さばねこ
題名: 記事を拝見して看取りの覚悟を決めました
メッセージ本文:
初めまして、さばねこと申します。
色々と看取りについて検索していて、こちらを見つけ、記事を拝見しました。
長文でごめんなさい。気持ちを吐き出せるところがなくて、申し訳ないのですが書かせてください。
14歳のメスのミックスと暮らしています。一人暮らしです。
今年の3月の頭から突然ご飯を食べなくなったのですが、完全に私の都合で全く病院に行けませんでした。その時点で無理にでも行っておけばと今でも後悔しています。行けなかったのは、完全に仕事という人間の都合なので。
日に日に衰弱していき、仕事も落ち着いた3月下旬、病院に行ったところ胸水が見つかりました。
詳しく検査するとお腹に腫瘍があり、それが大きな血管を巻き込んでいるので、心臓に悪さをしているのでは無いかとの事。結果、胸に水が溜まったんじゃないかな?と。
腫瘍は既に6cmあり、胃腸も圧迫されているかもしれないので、食欲が無いのかもしれないですねと言われました。
血液検査の結果は何も無く、腎臓も問題なし、胸水も黄色に近いサラサラした体液に近いものでした。
先生は全部顕微鏡で見せてくれ、問題があればこういう状態の細胞があるがこの子は出ていない、と詳しく説明してくださいました。
その日は胸水を抜いていただき、一応、という事で食欲増進の注射を打ってもらいましたが、結局食欲は戻りませんでした。
先生からは手術で開いても何も出来ずに閉じるしかないかもしれない。それはリスキーすぎるから、息が苦しそうにしていたらまた来てくださいと言われました。
具合が悪くなってから、とにかく何か食べられるものはないかと探して、カリカリ、ウェット、ちゅーるを与えましたが拒否。柔らかくしたり、おやつにしたり、色々試しましたが全滅。
ホームセンターで1缶だけ試してみようと買ったヒルズのAD缶を、強制給餌で1日に数回に分けて1週間かけて1缶食べさせました。元々、1缶だけで食欲が戻らなかったら諦める覚悟で買いましたので、今日は薄くした砂糖水をシリンジで少し舐めてもらいました。
お水は自力で飲みたいらしく、ぬるま湯にしてあげるとお皿の前で伏せた状態でぺろぺろしています。たまにシリンジでお手伝いしています。
お水を飲んでいるのでオシッコは出るのですがうんちは全く出ません。トイレまではよたよたと歩いて伏せては休み休み行って、今まで失敗なしの偉い子です。
昨日、朝起きたら猫が寝床におらず、肉球が冷えきった状態でお風呂場で見つけました。物凄く動揺したので「お風呂場はビックリするからやめて」と伝えたところ、今朝は脱衣所にいました。
肉球はひんやりしているので、多分低体温なんだと思います。だからお風呂場に行ったんでしょう。
今朝、こちらの皆様の記事を拝見し、これからお水だけで様子を見ようと思います。まだ毛並みもツヤツヤで目も元気なのに、衰弱していく姿を見るのが辛いと思っていましたが「枯れるように終わりを迎える」という言葉がストンと心に落ちました。
幸いテレワークなので仕事の合間になでなでして、声をかけて、ありがとうと大好きをたくさん伝えようと思います。
長文なのに最後まで読んでくださりありがとうございました。
初めまして、さばねこさん。お手紙嬉しく思います。
検査結果も出て看取りの段階にきたのですね。
猫ちゃんが食事を拒否していて、病院に連れていったけれど
ということは、治療のやめどきだと思います。
私たち飼い主にできることは、側にいて優しく見守るだけなのです、これが猫ちゃんの苦痛を取り除く、一番いい方法だと思うのです。
自然に枯れるように逝かせてあげてください。
地球に生まれて、さばねこさんと幸せに暮らせた、そして宇宙へと返っていくだけのこと。また、未来会えるかもしれません。
猫が衰弱していく姿を見るのは飼い主側からすれば複雑な気持ちになると思いますが、一番楽な逝き方です。
死は苦しいと思われる方も多いかもしれませんが、寿命がきて死が訪れるということは
苦しみから解放されるということなんです。
動物が自ら食べなくなるのは「もう十分、生きた」というメッセージ。
楽に逝けるベストタイミングを本能的に知っているから食べなくなるんです。
食べないからガンも弱っていくんですね。
最期は大好きな家、人に囲まれるなんて、なんて幸せな猫ちゃんなんでしょう。
それでも看取ることを覚悟していても目の当たりにすると、パニックになると思います。
まず、水だけしか飲まなくなると死は近いです。そして水を絶つと1~2日ぐらいしかもちません。
最後のサインは下あごだけ動かす呼吸をするのですが、猫がとても苦しそうで呼吸困難に陥っているのでは?とあわてて、酸素吸入を病院に依頼してしまう人も多いと思います。
でも、動物も人間もそれほど苦しくありません。
呼吸が不規則になり、酸素が不足した状態になると、体内に二酸化炭素が増えて自然に眠くなって、天然の麻酔がかかった状態になります。
死が近づくと脳内麻薬エンドルフィンが脳内に放出され、恍惚状態になると言われています。心地良い状態になるのです。
死ぬ瞬間というものはいかなるものなのか。前出の平野氏は、死の直前、意識が朦朧として昏睡状態に入ったときは、「睡眠の状態と同じなのではないか」と説明する。
「脳内麻薬が分泌され、二酸化炭素の貯留が起こる。これによって、死を迎える体は、非常に心地よい状態になっていると考えられます。死の瞬間に意識を持っている人はいないでしょう。安らかに死に至るのです」
脳内麻薬のエンドルフィンは、幸福感を感じさせる物質だ。
「たとえばみぞおちを思いっきり叩かれて気絶したときなどに、脳から分泌される物質です。人は激しい痛みを感じるときには一気にエンドルフィンが分泌され、意識を失います。
亡くなる間際に、エンドルフィンが出ることで、人に幸福感を与え、たとえ無神論者であっても、あたかも神様に会ったかのような感覚に誘われるのではないかと思われます」(平野氏)引用元:現代ビジネス
注意しなければいけないのは、その時に酸素吸入をしてしまうと二酸化炭素という天然の麻酔がきれてしまい、苦しませてしまう事があると覚えておいてください。
人間も動物の体も苦しまず逝けるようになっているんですよね。
酸素吸入のタイミングには注意してあげてね。最期はいりませんから。
これからも、看取りについて色々葛藤もあると思いますが皆さんの看取りのお手紙などを読んで、心を落ち着かせていってくださいね。
またお手紙を出してくれてもOKです。誰かに話す事で気が楽になるので。
水だけ与える形になるかもしれませんが、それで、しばらく様子を見てあげてください。
そして、撫でたり声かけをすることで、猫ちゃんも安心すると思います。
エンジェルタイムを大切にお過ごしくださいませ。
それとお手紙、どうもありがとうございました。
令和6年4月23日
さばねこさんの愛猫が虹の橋を渡りました
差出人: さばねこ
題名: 愛猫を看取りました。
メッセージ本文:
にゃあこ様
こんにちは。さばねこです。
先日突然に長文を送りつけたにも関わらず、優しいお返事をくださってありがとうございました。泣きながら読ませていただきました。
愛猫を看取りましたので、またご連絡してしまいました。
私の可愛い愛娘は14歳10ヶ月でした。
あの後、強制給餌をやめ、お皿にお水を置くようにしました。自分で好きな時に好きなだけ飲んでもらうことにして、飲まなくなるまで様子を見ることにしました。
そうしたらなんと、狭い所に隠れたり、冷たい床に伏せて過ごしていた子が、お気に入りのビーズクッションの上でくつろぐようになりました。
私の隣にくっついて、ゆったり横になり、撫でるとゴロゴロと喉を鳴らして、瞬きも返してくれました。嬉しかったです。
まるで、体調を崩す前のような姿でした。そこから、冷たい床で寝る事はなくなりました。(トイレの行き帰りに疲れて休む事はありましたが)
そんなに嫌だったんだ。全身で嫌だって言っていたのに気づかなかった私は飼い主失格です。
亡くなる数日前にはトイレを失敗するようになり(それでも這うようにしてお皿の前に行き、お水は自分で頑張って飲んでいました)、発作のような口呼吸→荒い息→少し落ち着くを数時間ごとに繰り返す状態になりました。
私は隣で撫でながら「大丈夫だよ。そばにいるよ」と声をかけることしか出来ませんでした。
そんな状態になった翌日、虹の橋を渡りました。胸に水があったからか、最後まで苦しそうでしたが、眠った顔はとても穏やかでした。
お水だけにして、2週間の出来事でした。凄く頑張ってくれたんだなと思います。
このblogで皆さまのお話を読まなかったら、間違った対応でエンジェルタイムをただ辛い時間として過ごしていたと思います。
自然に任せると言うことが、こんなに穏やかで優しい時間をくれるとは思っていませんでした。
私も旅立つ事を受け入れる準備をできたと思います。
まだ思い返しては「強制給餌辛かったのに気づいてあげられなかった」「私のエゴで辛い思いをさせてしまった」と後悔や悲しみやいろんな感情がやってきて落ち着かないです。
でも今お困りの誰かが、どうか私のように間違ったエンジェルタイムを過ごす事がないよう願っています。
少なくとも、我が子には自然に任せる方が正解だったと、そう思います。
にゃあこ様ご自身の体験談をはじめ、皆さまのたくさんのお手紙を載せてくださって本当にありがとうございました。
おかげさまで、大好きな愛娘を優しく送り出すことが出来ました。彼女がいない空間にまだ慣れませんが、また会えると信じています。
またしても長文になってしまいごめんなさい。読んでくださってありがとうございます。
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さばねこさん、お手紙ありがとうございます。この度は心よりお悔やみ申し上げます。
穏やかなエンジェルタイムを過ごされたようで、猫ちゃん、最期まで幸せだったんじゃないかな。
見守るだけの歯がゆさもあったと思いますが、ちゃんと自然に見送れて良かったですね。
飼い主のエゴというか、その時がきたら、もっと生きていてほしいという思いが大きくなりますよ、誰だって。
なので自分を責めないでくださいね、猫ちゃんは飼い主を恨むことはないです。
手放さなきゃいけない、別れなきゃいけない時は、どんな事をしても、訪れる。
そこが辛いんです。
看取るって、難しい。慣れないし、寂しい気持ち、後悔、次から次へと溢れる感情で、しばらく落ち着かないかもしれませんが…。
でも、猫ちゃんは大切なものを残していってるんです。
命の尊さ
懸命に最後まで生きる
さり気ない日常の大切さ
誰かを大切に思う心など。
居なくなって寂しいけれど、それ以上に幸せだったはず。
また、会えるよ、きっと。
さばねこさんのお手紙、他の方のお手紙ありがとうございます。
皆さんのお手紙で救われている人も多いと思うんです。
介護中に孤独だなと思ったら、お手紙ください。誰かに話すと少し気持ちが晴れると思いますから。
最期は猫それぞれだけど、自然に任せる選択肢もある。最後の穏やかな日常を取り戻すきっかけになるかもしれないことを忘れないでね。
令和6年5月7日