今回は愛猫がエイズ陽性になってしまった飼い主さんからのお問い合わせです。
元々、キャリアだったのかな?それとも、どこかで感染したのかな?
わかりませんが、エイズでも発症しなければ寿命を全うできる場合もあるし、病気が進んだとしてもゆっくり進みます。
目次
松山さんからお手紙いただきました
私は獣医師ではないので医療的なことは、わかりませんが、看取りをメインに考えていくと10歳の彼は、まだ若い、でもエイズを発症してしまいました。
その場合は、痛みや苦痛を取り除く緩和ケアを中心とした治療がメインとなります。
若くても、治る見込みのない病気になると、医師は患者に苦痛が少ない老衰状態に近づけていくんです。
松山さんの猫ちゃんは自ら老衰に近づいていってる状態だと思います。
なので、きっと穏やかな状態で過ごせてるんだと思います。点滴をして今の状態を保っているのなら、そのまま点滴を続けてもいいのでは?と私は思います。
いよいよ、最期の時が近づいてくると、点滴しても吸収されなくなります。その時は自然に任せてみましょ。
自然に任せると、驚くほど穏やかに過ごせることが多いです。
猫ちゃんの今の状態は楽に逝けるよう身体が準備している段階だと思います。
猫エイズってなんなの?
どんな風になるのかな
猫免疫不全ウイルスによって引き起こされる病気を猫エイズといいます。
猫免疫不全ウイルスに感染した猫は猫エイズのキャリアです。この段階では猫自身の免疫力がウイルスの活動を抑えているため、症状はありません。
最後に、ウイルスが活性化し始めると身体がエイズに侵され始めます。 病気が進行すると免疫機能が低下し、通常は病気を引き起こさない軽微な病原体に反応する「日和見感染」の状態に陥ります。
後天性免疫不全症候群(AIDS)などに代表されるように免疫力低下を招く疾患に罹患している、臓器移植で免疫抑制剤を使用中である、あるいは加齢に伴う体力減衰等の要因によって動物の免疫機能が低下すると、通常であればその免疫機能によって増殖が抑えられている病原性の低い常在細菌が増殖し、その結果として病気を引き起こすことがある。
すなわち日和見感染とは、宿主と病原体との間で保たれていたバランスが宿主側の抵抗力低下により崩れ、宿主の発病につながるものである。
引用元:Wikipedia
症状には
- 腫瘍
- 口内炎
- 貧血
- 下痢
- 食欲不振
などがあり、症状が進行するとほぼ100%の確率で死亡します。
こうやって文章にすると怖いイメージがあるかもしれませんが看取りを覚悟して冷静に考えている飼い主さん。
看取りまでの段階がわかっていて飼い主さんがベストな治療をしているからこそ、猫ちゃんも穏やかに過ごせてるんだと思いますよ。
老衰は若い猫だけのものではなく、病気の子も同じように楽に逝けるため老衰と同じような状態になるわけです。
今はもう食べないとのことですが、危険な状態です。でも、もう無理に食べさせなくてもいいんじゃないかしら。
欲しがったらチュールをあげたりして。
彼がこのまま穏やかに逝けるよう、お手伝いをしてあげてくださいね。
猫ちゃんが穏やかに過ごせますように
令和5年5月12日
猫エイズを発症するまでの過程
猫エイズの感染〜発症までの期間は、個体によって大きく異なります。場合によっては、感染〜発症までに10年以上かかることもあります。
ゆっくりと進行することが多いです。ここから下はエイズを発症するまでの流れを簡単に説明していきます。
参考元は新潟県ホームページです。
急性期
その後、軽度の発熱と下痢が観察されますが、ウイルスが体内に侵入すると、軽度の発熱、下痢、リンパ節の腫れが数週間から数か月続くことがあります。猫によっては全く症状が出ない場合もあります。
無症候キャリア期
症状が消えて普通の生活が送れるようになるまでの期間は、ストレスの程度によって1年から10年と大きく異なります。しかし、初期段階まで進行しないことも多く、多くの猫は無症状のままこの段階で生涯を終えます。
PGL期→持続性リンパ節腫大期
リンパ節が腫れ、発症のサインが出る時期. 感染した直後のように、再びリンパ節が腫れだすと発症の前兆。この時期は、2〜4カ月ほどと短いので、見逃してしまうこともあります。
ARC期→エイズ関連症候群期
免疫機能の低下により、口内炎などの症状が現れるとウイルスが免疫機能を低下させ始め、
口内炎、鼻炎、結膜炎、皮膚炎などの病気にかかりやすくなるエイズ関連症候群になります。口内炎は特によく見られます。
エイズ期
免疫機能が機能しなくなり、激しい症状が出る時期に急激に痩せ、貧血が進みます。さらに、悪性腫瘍ができたり、弱い細菌にも感染する「日和見感染」を起こし、多くは数カ月で命を落としてしまいます。
猫エイズを発症する緩和ケア中心の治療になります
この病気はウイルスを体から完全に除去することができないため、治療が困難です。
基本的に、食欲不振や口内炎がない場合は、何もする必要はありません。
治療の目標は、病気によって現れた症状を軽減することです。いわゆる対症療法で、口内炎などで痛みや腫れが生じている場合には、消炎剤や鎮痛剤が使用されます。
体の抵抗力が低下し、細菌感染が軽度であるため、抗生物質やインターフェロンが使用されることがあります。
症状を苦痛な症状をやわらげる治療なら積極的にしたほうが、猫ちゃんの苦痛を取り除くことができるでしょう。
でも、治療にはやめどきがあるので、獣医さんとよく相談してから
自然に任せるのか、よく考えてから決めてね。
何回も書いていますが、猫も人間も楽な死に方を知っています。老衰で枯れるように自然に逝くのが、もっとも苦痛が少ないと私は思っています。
松山さんの猫ちゃんが安らかに自然に過ごしているのも納得できます。
松山さんの猫ちゃんのその後
松山さん、お礼のお手紙ありがとう。大変な時にお手紙を出してくださり感謝しています。
私のblogを見つけてくれたことも。
今後、どんな風になるのかわかりませんが、少しでもこのblogがお役に立てれば、私も嬉しく思います。
一緒に猫ちゃんを見守っていきましょ。病気の時に側にいてあげる事が猫ちゃんにとって幸せなこと。
松山さんも無理しないよう、お身体を労ってくださいね(*^^*)