看取り期の迷いみぃちゃん

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みぃの父さんからお手紙いただきました

差出人: みぃの父
題名: 看取り期の迷い

メッセージ本文:
我が家の飼い猫の「みぃ(mix、メス、3歳1ヶ月)」は動物病院の前に2匹で捨てられていた保護猫で、譲渡会で譲られました。生まれつきの白血病ウィルスキャリアです。パステル三毛の毛柄で、ウィルスのせいか、いつまでも小さくて子猫みたいで、それは綺麗な猫でした。抱っこは苦手でしたが、わたしが帰って来るといつも玄関に出迎えに来て、トイレやお風呂に行くと扉の前で出待ちをしていました。

白血病ウィルスキャリアでも発症しないこともあるということから、免疫力アップのサプリなどを与えていました。6月初めに息が荒いのに気づいて病院に行き、縦隔型リンパ腫と診断されました。抗がん剤治療をするか、ステロイドを投与するかの選択で、前者がうまくいっても半年後には再発すると言われ、後者を選びましたが、状況はあまり改善しませんでした。

胸水を抜いてもらい、1度目は50cc、2度目は70ccで、それなりに効果があったのですが、26日に3度目を抜いてもらったところ20ccしか溜まっておらず、腫瘍が肺を圧迫していて、獣医さんはなすべき手立てがないという感じでした。それでも抗がん剤治療を勧められました。

ここ4、5日は餌も水も受け付けません。薬も嫌がるため、本人が嫌なことはやらない方がよいかと、今は自然に任せています。呼吸困難になっていて、見ているのもかわいそうですが、また病院に連れて行くのもストレスだと思うと、なにもしてやれません。

昨日も、病院に連れて行き、点滴をしてもらうと楽になるのかなと思ったりしましたが、かえって苦しめることになることになるかもしれないと思い直し、そのままにしてしまいました。

歩く力もないはずなのに、気がつくとお風呂の脱衣場に移動して、床に顎をつけています。ここがお気に入りの場所でした。


傘の影にいるのが好きだったので、折りたたみ傘を広げた下に寝かせています。
トイレを近くに置いたところ、早速用を足そうとしたのですが、トイレの段差をまたぐことができず、間に合いませんでした。

昨晩が山だろうと思っていましたが、まだ意識はあり、名前を呼べば尻尾を振ります。まだ3歳と若い猫なので、生命力が強いのだと思います。残された時間でやれるのは一緒にいてあげるだけということはわかっていますが、辛いですね。

猫の看取りの本をたくさん図書館から借りてきました。「飼い主の選択はどれも正しい」と書かれていますが、それでも後悔してしまうことはたくさんあります。みぃの顔を見ていると、助けて、病院に連れて行って、と言っているようで、また気持ちがぐらつきます。

ご迷惑でしょうが、誰かに聞いて欲しくてメールをいたしました。

まだ、3歳なのに看取りとは辛いですね。水を飲んでいないということなんですが

お手紙が間に合うかどうか心配です。

縦隔型リンパ腫と診断され、抗がん剤治療をしてうまくいっても半年後に再発すると言われてるんですね?

呼吸困難も起きて苦しそうに見えると思いますが、その間は意識がありません。

みぃの父さんは病院に連れていってあげて治療を受けさせてあげたい気持ちがある…でも苦しませたくない気持ちもある、苦しんでらっしゃる。

難しい決断です。

私は完治するか、みぃちゃんが苦痛なく過ごせる治療なら積極的に受けてみてもいいと思います。

これは、あくまでも私の考えです。

先生とよく話し合って、手の施しようがないのなら、もう見送ってあげてください。

みぃちゃんがお薬、お水も拒否するようなら「もう充分生きました、生きぬきました」の意思表示だと思うんです。

こればかりは正解がなく悩みます。いつも悩みます。

残された時間、みぃちゃんの側にいて、撫でたり話しかけてあげてね。

お手紙が迷惑なんてとんでもない、辛くなったらいつでも、お手紙ください。

令和5年7月1日

令和5年7月1日みぃちゃんが虹の橋を渡りました

令和5年7月1日7時ごろ、虹の橋を渡りました。心よりご冥福をお祈りします。

みぃちゃん安らかに

差出人: みぃの父 

題名: みぃちゃん亡くなりました

メッセージ本文:

メッセージを取り上げていただき、ありがとうございました。

残念なことに、今日の7時頃、みぃは亡くなってしまいました。

自宅で最期を看取ることを決め、今日の夕方、今までお世話になった動物病院に、現状を伝えに行きました。

生き続けるには、抗がん剤治療しか解決方法がないことを教えてもらい、自宅に帰りました。

帰ると、みぃはお風呂の脱衣場で横たわっていました。風を通すため、裏口の扉を開けると、そこから外に出ようと突進しました。こんな力がまだあるんだという勢いでした。危うく抱きとめましたが、これだけの生命力があるならば、ひょっとして、抗がん剤治療をおこなったらうまくいくかもしれない。そんな気持ちが湧いてきました。

早速、動物病院に電話をかけて抗がん剤治療を試みたいと述べ、嫌がるみぃをクレートに押し込んで車で5分の動物病院に着いたら、みぃは亡くなっていました。

苦しんだ様子は全くなく、クレートの底に横たわっていました。

クレートに入れられて、車で運ばれたのがストレスだったのでしょうか。

本当にかわいそうなことをしてしまいました。

わたしはそんな治療はして欲しくない、という意思表示だったのかもしれません。

でも、あのまま脱衣場で亡くなるよりも、よかったのかもしれません。

いろいろ考えると後悔ばかりです。

猫が死ぬ間際、人はいろいろな哲学的なことを、猫から試されている気がします。

一昔前は、人間が死ぬ場所は自宅でした。そこでは猫の看取りと同じ葛藤が起きていたはずなのに、いつしか人間の看取りの場は病院に移り、マニュアル化された結果、昔ほど苦悩することがなくなっているように思います。

それに対して犬や猫の看取りの場は、自宅である場合が多いのでしょう。

家族同然の犬猫の生き死にに対して、一つ一つの決断を飼い主がしなければならないことは、なかなか大変なことです。その重圧に耐えられる人はどのくらいいるのでしょうか。

ペットを飼うことは、結婚したり子供を持ったりすることと同じく、覚悟が必要なことになっている気がしました。

このサイトでは、いろいろなことを学ばせてもらいました。

ペットの看取りの仕方は様々で、正解がないとされる分、飼い主のプレッシャーが大きくなっています。

犬や猫の看取りの仕方を考えることは、これからもっともっと大切になるに違いありません。

みぃは亡くなってしまったけど、彼女をずっと幸せにできなかった分、時間が経ったら、また新しい猫との出会いを試みたいと思っています。その頃には、看取りのことで悩むことがないよう、猫の看取りについての揺るぎない考えが浸透しているといいなと思います。

このサイトは、看取りで悩む人たちにとっての灯台の灯です。

サイトを維持してゆくことはたいへんなことだと推察しますが、ご無理のない範囲で継承していってください。

みぃちゃんを病院に連れていくストレスでなく、もう寿命がきたのでしょう。

愛情深い飼い主さまの側にいたのだから、幸せだったと思います。自分を責めないで。

力強く動いたのはラストラリーという現象で、今まで動けなくなった子が立ったり、元気にみえるんです。

人生で大事なことは、人生の最期をいかに過ごすかといっても過言ではありません。
人は必ず死ぬのですから、その直前の数日間は、心穏やかに迎えたいものです。
でも、もうすぐ亡くなることがわかると、精神的にも肉体的にも末期ですが、細胞レベルでは、最期まで本人を生かそうと最大限の努力をしているのです。
その努力の結果、悪化していた容体が一時的に回復する現象が起きます。
これが「ラストラリー」です。
ラストラリーとは、直訳すると最後の回復です。
ラストラリー現象は、あくまでも一時的な回復です。
例えば、意識がなかったり、認知症で何もわからなくなっていた人が、突然、思考回路がつながったり、元気になり、食欲が出てくる等の現象が起こります。
もちろん、すべての人に起こるわけではありませんが、病院の関係者の方は、このような現象をよく見るそうです。
一時的なものですから、時間が経過すると、また意識がなくなってしまいます。
そうするとご臨終を迎えるわけです
引用元:相続よろず相談所

最期が近づくと細胞が一生懸命生きながらえようとします。

体力が戻ったような気がするのですが、長くは持ちません。

その見極めはとても難しいです。

私の故郷では看取り医師がいて、お年寄りはたべなくなったら終わり。自然に任せるのが普通でした。

枯れ木のように静かに逝く方ばかりだったんですよね。

なんて安らかに亡くなるんだと感動したことを覚えています。

都会では、病院で亡くなるのが普通でマニュアルどおりで看取る側からすると楽です。

コロナ禍をきっかけに医療崩壊寸前です。なのでこれから、家で看取ることが増えてきますよ。

その中で看取りに慣れていない人は、その重圧に耐えれないかもしれません。すべて、決めないといけませんから。

猫も家族で看取る方法は人間と同じ。

看取るのは怖くない、楽に逝けるんだよ、もちろん医学の力を借りつつ

色んな意味で看取りについて正しい情報をこれからも発信していきたいと思います。

みぃの父さん、ありがとう!心のこもったお手紙でした。

ブログを維持するのは大変ですが、これからも頑張って続けていきたいと思います。

ぜひ、新しい子を迎えてくださいね、そして幸せにしてあげてください。

令和5年7月2日

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