猫の看取りについて考える

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猫も犬も長寿になり、ペットというより家族の一員として考える時代になりました。

ペットフード協会の調査ではペットの平均寿命は

犬、猫平均寿命
14.3歳
15.3歳

犬14.3歳

猫15.3歳

猫にいたっては20歳以上生きる子も珍しくありません。

しかしながら猫の寿命が延びたといえども人間と比べると短いです。

猫は家族、人間と同じ目線で考えてしまうので少しズレが生じます。死が怖い恐怖を考える人間は猫とは違うのです。猫は1日1日を一生懸命生き、死がせまると食べない自然のままに生きているだけなのです。

いざ看取りの段階に入ると飼い主の方がパニックになってしまい冷静さを失うことも。これは家族を看取る時も同じです。

実際多くの看取りを経験した私と一緒に看取りについて冷静に考えていきましょう。

この記事は

  • 看取りの経験がない
  • 看取りが怖い
  • 終末期をどう過ごせばいいのかわからない
  • 看取りに対して不安が大きい

人が読むと心が軽くなれる記事です。ぜひ最後までお読みください。

猫が元気なうちから心の準備をしておく

猫の寿命が長くなり一緒にいられる年月が長くなった喜びが増す一方で、

猫が高齢化したことにより

  • 病気
  • 介護
  • 病気による金銭的負担
  • 精神的負担
  • 延命治療はどこまですればいいの

など終末期の悩みごとも大きくなります。とことん治療するのか

自然に任せるのか

安楽死がいいのか

今この記事を読んでるあなたは、苦しみの最中なのではないでしょうか。医学が発達して人間、動物の寿命が

生があれば死があるのは自然のことで、受け入れることが課題となります。

猫ちゃんが元気なうちから終末期の治療方針を決めておくとパニックになることなく、静かに見送ることができると思います。

死ぬとき体はどうなるのか、知識があるのとないのとは全く違います。看取りが初めての場合、戸惑い、どんな治療をすればいいのかわからない方も多いんじゃないかな

正直言うと看取りはとてもデリケートな問題。人それぞれ考え方が違うので、これが正解というベストな答えはないです。

終末期に莫大なお金をかけられなかったから、その猫ちゃんは不幸ということはないです。

飼い主ができる範囲のことをしてあげればいいのです。

延命するのか、しないのか、飼い主が頭を整理しながらノートにまとめておくといいですよ。

猫らしく生きるってどういうこと?

多くの人間は「死」に対して恐怖や不安があり、深く考え悩みますよね。

けれども「死」に関して悩み、恐怖を感じるのは人間だけなのです。

動物には死の概念がありません。本能に従って死なないように精一杯生きているだけです。

本能のままに生きてるのですから死を自然に受け入れているのかもしれません。

体調が悪くなると静養して

最期の時がくると食べないし、最後は水も飲みません。

そして静かに虹の橋へ旅立ちます。

餓死は辛いといいますが、それは健康な肉体をもった動物である場合です。終末期は枯れるように逝くのが辛くなく楽、そのことを動物たちは本能的に知っています。

自分で

  1. 食べれる
  2. 歩ける
  3. 排せつできる

など心理的、生理的にも自立して生きられるように最期の時まで、猫らしく生きていられるように動物の尊厳を守ってあげたいものです。

尊厳とは尊く、おごそかで、犯してはならないこと。気高く威厳があること。

どの時期から終末期ですか

医療でも何をもって終末期とするかあいまいで明確な物はありません。

終末期とは治療しても回復の見込みはなく近い将来、死が避けられない状態であると医学的に判断された場合のことです。

猫の場合も基本的に終末期は人間と同じです。

簡単にまとめると

最後まで動ける場合もあるよ
終末期
  • 治療しても回復の見込みがない
  • 近い将来、死が避けられない
  • 自力で食べられない
  • 自力で排せつできない
  • 自力で水を飲むことがてきない
  • 自力で水を飲むことがてきない
  • 自力で動くことができない

この時期が終末期といえます。

治る見込みのない猫をどうするのか深く考える時期で

  1. 延命するのか
  2. 痛みをとりながら自然にまかせるのか
  3. 安楽死をするのか

飼い主の判断によって猫の寿命が変わってきます。

どの選択をしても、飼い主さんの選択がその時の最善の選択だと思います。なので、あれこれ悩む必要はないのです。

猫のために考えぬいた末の結論なのですから。

ただし猫が延命によって寝たきりになり長く生きるのは動物として、とても不自然なことなのです。死の概念のない動物と死に怯える人間との違いはそこにあります。

病気によって終末期の経過は違う

猫の3大死亡原因は

  1. 腎・泌尿器疾患
  2. 循環器疾患
  3. 悪性腫瘍(ガン)

です。

病気によって終末期はどんなふうに悪化していくのか全く違ってきます。

前もって「この病気はこのような経過をたどるのだな」とわかっていれば飼い主も猫ちゃんも落ち着いて終末期を迎えることができますよ。

例えばガンなどの悪性腫瘍は長い期間、身体の機能は保たれますが最期は急激に悪くなります。  

上の表の病気の進み具合によって終末期の対応が違ってくるので、参考にしてみてくださいね。

老衰の場合は身体の機能が低下しているのが誰が見てもわかるでしょう、そして緩やかに悪くなります。

病気によって猫ちゃんと最後の時間の過ごし方をかえてあげてください。

飼い主のための延命治療になっていなかいか注意する

人間と同様にペットも高度医療が受けられる時代になりました。

これまで困難だった

  • 悪性腫瘍ガン
  • 循環器疾病
  • 腎臓病、泌尿器疾患

の治療が可能になり、治る見込みのない病気でも長く延命可能となりました。

口から食べられなくなれば、胃ろう(胃に穴をあけてチューブで栄養を流し込む)、経鼻管栄養(鼻にチューブを通して栄養を流し込む)、点滴。

腎臓が働かなくなったら血液透析。

自発呼吸ができなくなったら人工呼吸器の装着。

この中には動物が苦痛を伴う医療行為もあります。

人間ならば苦痛がある場合、意識がもうろうとする中で最後は抵抗したり「もう治療をやめて」と訴えることで、もうこの人にとって治療は限界なんだなとわかるのですが、猫はしゃべることができません。

私自身も身内を看取りを経験した中で、家族がよかれと思い延命治療をしたことで、身内の苦しみを長引かせてしまったことがあります。

そして私の父を延命なしで見送ったとき、人間とはこんなにきれいに逝けるんだと感動しました、それと同時に「どんな形でも自分のために生きて欲しい」というのは人間のエゴであることに気付きました

それでもやはり身内と他人とは違い、大切な家族の命の炎が消えていくのを目の当たりにすると延命するのは苦しみの日々が増えるのを頭では理解しているつもりでも「延命治療して生きるだけ生きて欲しい、1分1秒でも長く生きてほしい」と願います。

今あなたが、愛する猫の終末期で治る見込みがない場合、その治療が猫のための治療か、飼い主のための治療かを冷静に考えてほしいのです。

その治療をしたら猫が

楽になるのか

おだやかに過ごせるのか

ただ延命するだけになってないか

猫目線になって考えることが大切です。

治療にはやめどきがあり、それを過ぎると猫ちゃんの苦しみを長引かせて薬も効かなくなり痛みも強くなり、溺れるように亡くなることもあるんです。

飼い主のための治療になってないか振り返ってみてください。老衰を治す治療はないのです。

貴重なエンジェルタイムを治療だけに使わない

エンジェルタイムはこの世で愛猫と過ごす神様がくれた最後の時間。

この時期に寝たきりの猫が歩けるようになったり、食べなかった猫がキャットフードをガツガツ食べて元気な姿を見せたりと、このまま病気が治るのでは?と思いがちですがそれを過ぎると一気に死へと向かいます。

人間では中治り現象といって寿命が尽きようとしている細胞を守るため体のあらゆる器官が頑張ろうとします、その中でも脳は重要で脳内麻薬

ドーパミン

セロトニン

オキシトシン

アドレナリン

がでます。これらは生き物が最後、苦痛や恐怖がないように逝けるようにしてくれた神さまの配慮なのかもしれません、不思議で神秘的ですね。

チェックポイント

ドーパミン 喜怒哀楽、やる気を高める

セロトニン幸せホルモン、精神安定

アドレナリン、いつも以上の力が出せる状態になる

オキシトシン 幸福感

この時期にもっと治療したら復活するのではと治療に時間を費やす方も多いのですが、その時間を愛猫との思い出作りに費やしてください。

やはり最後は住み慣れた家に居る方が猫ちゃんは安心できます。

エンジェルタイムを無駄にしないで、この時間を穏やかに猫ちゃんと過ごしてほしいです。

安楽死について思うこと

日本では安楽死は少ないですが海外では動物の苦痛を無くすという目的で、日本よりも多く行われています。アメリカ、スウェーデンなど国によって安楽死の考え方は様々です。

SNSで見る限りでは日本では動物がどんなに苦痛を訴えてもタブーなのかもしれないと思いました。

ちなみにスウェーデンでは法律が保証する尊厳死というのがあって、「症状あるいは損傷やケガがひどいものである場合、その動物はすぐに安楽殺をすべきである」と定めています。

スウェーデンでは安楽死をするのにその動物の飼い主の許可はいらないわけです。日本だったら大問題になりますよね。

苦痛を緩和することに限界があり猫が苦しみを訴えるときは安楽死という選択はありだと思います。

不治の病治療の希望
苦しみを取り除いてあげたい
最新の治療を受けたい
何もしたくない
安楽死
無回答

安楽死とは、麻酔薬で深い眠りにつかせる処置のことで猫が眠っている間に整脈内に致死量の麻酔薬を注射するのが一般的です。

全身の機能が一瞬で停止し苦しむことはありません。安楽死の費用は5,000円から15,000円が目安となります。

獣医師から安楽死の提案があったとしても決めるのは飼い主です。

もし安楽死を選んだのなら動物病院に任せっきりにせず、飼い主が側で寄り添うことが大前提のうえで行うことが大切。

猫からの最期のメッセージを無視しないで

猫たちは最期の時がくると飼い主にメッセージを残します。

まず終末期で

食べ物を拒否

水を拒否

する場合は、私たちはもう充分幸せに生きました。もうこれ以上は何もしないで。

というメッセージを伝えているんです。

看取りの考えは人それぞれで治療を積極的にする飼い主を責めてはいません。ただ、生き物がどのような過程で亡くなるのか知っておくと猫ちゃんを苦しめることなく、見送れるのではとこの記事を書かせてもらいました。

少しでも飼い主さんと猫ちゃんの心の痛みがとれますように…。

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