酸素吸入したら楽になるかしら?
焦った飼い主はそう思って
- 酸素室に入れる
- 動物病院で酸素吸入してもらう
応急処置をすべく病院に駆け込む人も多いと思います。
でもその処置は猫を苦しめる行為なのかも知れないです。
もちろん、自己判断ではなく
- 獣医師と相談
- 最期が近いこと
それらを確認して看取りの段階にはいったことを冷静に受け止めることが大切です。
獣医さんは飼い主に延命を頼まれたら断ることができないのです。
苦しめるのるのがわかっていても一般の飼い主は医学的知識がなく、何もしないと納得しません。
「あの医師は何もしてくれなかった!医療ミスだ」と騒がれることも。
医師になぜ、その処置は必要ないのか聞いてみることも大切です。
二酸化炭素は麻酔薬の役割を果たすんだよ。
酸素吸入したら麻酔薬である「二酸化炭素」が切れて苦しみが増すの。
今回は終末期に酸素吸入はなぜ、しないほうがいいのか説明していくね。
終末期における二酸化炭素は天然のモルヒネになる
人間は死が近づくと脳内麻薬と呼ばれる物質「エンドルフィン」が脳内に放出され恍惚状態になることが分かっており動物も同様であると考えられています。
気持ちよく眠りにつこうとしているのに、酸素吸入をすることで「麻酔」が切れてしまい、猫を苦しめてしまうのです。愛する猫が安らかに逝けるよう飼い主は正しい知識を持たなければいけません。
βエンドルフィンは、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)などと同一の前駆体であるプロオピオメラノコルチン(POMC)に由来する。PAGに投射する視床下部弓状核のニューロンがエンドルフィンを分泌する。ストレス時に視床下部からCRFが分泌されると、下垂体前葉からPOMCから切り出されてACTHとβエンドルフィンが1:1の割合で放出される。
β-エンドルフィンは、オピオイドμ受容体に作用し、モルヒネ様作用を発揮する。ストレスなどの侵害刺激により産生されて鎮痛、鎮静に働く。鎮痛作用はモルヒネの6.5倍の効果があるとされる[要出典]。 βエンドルフィンが中脳腹側被蓋野のμ受容体に作動し、GABAニューロンを抑制することにより、中脳腹側被蓋野から大脳皮質に投射するドーパミン神経系(別名A10神経系)のドーパミン遊離を促進させ、多幸感をもたらす。
Jaak Pankseppによって、エンドルフィンは社会的安心感に関与することが発見された。幼弱イヌとモルモットにモルヒネを与えると、母親から隔離された時に泣くことが少なくなる傾向が見られた。別離の苦痛の症状が緩和される。ナロキソンを投与すると、泣く頻度が増加した。
引用元:ウィキペディア
- 終末期の酸素吸入は猫の負担
- 酸欠なると脳内麻薬がでる
- 最後の呼吸
をわかりやすい言葉で説明していきますね。
猫の呼吸が不安定になったら最期のときがくるというサイン
猫の最期のときが訪れると、呼吸が不安定になり
- 浅い呼吸
- 深い呼吸
- 無呼吸状態
を繰り返す「チェーン・ストーク呼吸」は死が近い合図です。深く息を吸った後、フッと息を吐き出すようになったら、死は直前です。
この時に下顎だけを動かす下顎呼吸(かがくこきゅう)がみられることがあります。下顎呼吸はお魚のように口をパクパク動かすイメージ。
上に書いているような呼吸をする場合は仕事を調整して、なるべく猫の側にいてあげてください。
そしてこの時に酸素吸入をして猫の眠りを妨げないでほしい。
この呼吸を初めて見た飼い主は「苦しそう」と心を痛めますが、猫ちゃんはもう意識がなく痛さ、苦しさも感じません。実は人間も同じで、そのまま気持ちよく深い眠りにつくのです。
チェーンストークス呼吸(チェーンストークスこきゅう、英: Cheyne-Stokes respiration)とは、数十秒間程度の無呼吸が続いた後、外呼吸を再開すると1回換気量が次第に増加し、極大に達すると今度は1回換気量が減少して、再び数十秒間の無呼吸に至るというサイクルが続く、異常な外呼吸の仕方である。交代性無呼吸とも呼ばれる。
引用元:ウィキペディア
酸欠になるのに猫が苦しくないのはなぜ?詳しく知りたい
二酸化炭素が増えるとどうなるの?
終末期の猫の呼吸が不安定になると
- 脳に酸素がゆきわたらない
- 酸欠になる
- 二酸化炭素が増える
- 二酸化炭素は天然の麻酔薬になる
- 心地よい眠りにつく
- 意識が無くなる
- 苦しみが消える
ここで酸素吸入をしてしまうと、麻酔が切れてしまうのです。
飼い主が良かれと思ってしたことが、安らかな死を邪魔する場合があるのですよ。
医学というのは健康な場合は身体を楽にしてくれるのですが、最期の時は役に立たないことが多いです。
終末期の猫が不規則な呼吸をした時、一番の対処法は自然にまかせること。そのほうが猫は苦しむことが少ないです。
最後に
猫ちゃんは言葉が話せず、人間のように「もう、その治療はやだよ」と言えないのです。
楽に逝けるのか、苦しみの多い最期なのか、すべて飼い主次第になります。
私も昔、無知がゆえに飼い猫、飼い犬を苦しめてしまった経験があって今でも後悔していて忘れることができません。
多くの飼い主さんに、その延命が猫を苦しめることになる場合があるのだということを知ってほしくて記事を書いています。
最後までお読みいただきありがとうございました。