猫の腎臓病とは詳しく解説

猫の腎臓病(特に慢性腎臓病:CKD)は、腎臓の機能が徐々に低下していく病気で、高齢猫に非常に多くみられます。
早期発見と継続的なケアが寿命や生活の質に大きな影響を与えるため、飼い主が知っておくべき重要な病気です。
原因

猫の腎臓病の主な原因は以下の通りです。
多くの場合「はっきりした原因なしに年齢とともに進行」が最も一般的です。
よく見られる症状

腎臓は体内の老廃物を濾過し水分やミネラルバランスを管理する臓器。機能が落ちると次のような症状が現れます。
軽度だと気づきにくいため、定期検査が非常に重要です。
診断方法

動物病院では以下の検査を組み合わせて診断します。
特にSDMAは早期発見に有効とされています。
以下は「SDMA・クレアチニン・BUN・尿比重」など、
猫の腎臓病でよく出てくる検査値の読み方を、できるだけわかりやすく説明したものです。
SDMA(エスディーエムエー)
【何を見る検査?】
腎臓がどれくらい働けているかを最も早く教えてくれる数値。
【特徴】
【目安】
※数値は病院により参考値が少し違います。
クレアチニン(CRE・CREA)
【何を見る検査?】
血液中の老廃物。腎臓が悪くなると体にたまり増える。
【特徴】
【目安(IRISステージ参考)】
脱水があると上がって見えることがあるので、単体で判断しないことが大事。
BUN(血中尿素窒素)
【何を見る検査?】
タンパク質の代謝でできる老廃物。腎臓が弱ると増える。
【特徴】
【目安】
尿比重(USG)
【何を見る検査?】
腎臓が“尿を濃くする能力”を持っているか。
【特徴】
腎臓病があると尿が薄くなり、比重が下がる。
【目安】
※水をたくさん飲んだ日は自然と薄くなることも。
リン(P)
【何を見る検査?】
腎臓がリンを排出できなくなると増える。
【特徴】
【対策】
SDMAとクレアチニンはセットで見ると正確
2つの数値を一緒に見ると、腎臓の状態がより正確にわかります。
重要ポイント
治療法

腎臓病は完治が困難ですが、進行を遅らせて生活の質を保つ治療が中心になります。
食事療法
最も効果が高いとされる治療
腎臓病用療法食への切り替えが推奨されます。
薬物療法
症状や進行度に応じて
点滴(皮下補液)
自宅でできる皮下補液は脱水予防や老廃物の排出を助けます。
在宅ケア

腎臓病の猫の生活を支えるポイント
以下に、国際腎臓学会(IRIS)のステージ分類をもとにした「猫の腎臓病ステージ別の治療プラン」をわかりやすくまとめます。
ステージ別 治療プラン

腎臓病(慢性腎臓病:CKD)はIRISステージ1〜4に分類され、ステージが上がるほど腎機能低下が進行しています。
ステージ1の特徴、早期
治療・管理のポイント
ステージ2特徴、軽度~中度
血液検査(クレアチニン・SDMA)の明らかな上昇食欲や体重の変化が出ることも。多飲多尿が増える。
治療・管理
ステージ3特徴、進行期
治療・管理
ステージ4の特徴(重度)
治療・管理
補足:合併症に応じた追加治療

高血圧
タンパク尿
貧血
吐き気止め
ステージ別ケア

猫の腎臓病の治療は「ステージに応じて何を優先するか」が大切です。
まとめ

猫の腎臓病は高齢になるほど発症率が上がる病気ですが、早期発見と適切なケアによって余命や生活の質を大きく改善できます。
特に7歳を過ぎたら年に1〜2回の健康診断がおすすめです。
血液検査と尿検査は早期発見に非常に有効です。
飼い主が症状に敏感になり、定期的に検査を受けさせることが何より大切です。



