終末期の点滴の止め時がわからない
止めるとどうなるの?
ちょりーなちゃんの飼い主さまから、そんな質問をいただきました。
口から食べれなくなり点滴をしても吸収されなくなる時がきたら点滴の止めどきでしょう。
終末期はどんな事がおきてるのか、誰にでもわかりやすい文章で解説していきたいと思います。
ちょりーなちゃんの飼い主さんからのお手紙
ちょりーなちゃんの飼い主さん、点滴の止め時って難しいですよね?
お手紙で先生の意見が書かれていました。これは点滴しても水分が吸収されにくい状態であるということです。
見て頂いている先生は、補水の吸収量の低下や皮膚の固さ?などからこの数日で旅立ってしまっても不思議ではない状況という見立てです。
いつ、旅立ってもおかしくない状況だということは、、もう点滴の止め時かもしれません。
体が楽に逝けるよう準備をしているので吐き気が起こるのは自然なのです。終わりに向かっているのですからある程度の苦しみは、誰もが経験すること。
吐き気を止めてあげたいとのことですが、点滴を止めると何も食べなくなり吐き気も止まるでしょう。
飼い主さまの選択はこの二択
- 点滴を続けて延命
- 点滴を止めて逝かしてあげる
になるでしょう。
終末期は点滴が体の負担になることが多く、人間ならば苦痛をはっきり訴える人もいます。
亡くなる1週間ほど前になると、人の身体はもう水分や栄養を処理できなくなくなるからです。
ただ、点滴を止めると寿命が短くなることが、飼い主さん側のデメリットとなりましょう。
終末期は脱水状態の方が楽に逝ける
看取り期になると身体に様々な変化が起こります。
看取り期に起こる現象
- しっかり歩けなくなる
- 寝ている時間が長い
- 食べれなくなる
- 水分を摂取できなくなる
- 排泄できなくなる
- 点滴をすると浮腫む
木が枯れていくように、ゆっくりと終わりに向かっていきます。
この時に脱水状態になると意識レベルが低下し幸福ホルモンなどがでてくるようです。
しかし、この段階で水分を入れてしまうと意識レベルが改善されるので苦痛を感じるようになるんですね。
点滴で入れた水分を処理できずに、あちこち水が溜まります。肺に水が溜まってしまうと溺れるような苦しみを味わいます。
それらの事を頭で理解していても死と向き合う事は簡単ではないので、飼い主さんは
早く逝かしてあげたい
まだ生きていてほしい
このふたつの思いに苦しめられます。
いつかは誰もが死に向かうことは当たり前のこと。
猫らは命の尊さ、儚さを教えてくれているのかもしれません。
最後に
ちょりーなちゃんは20年以上、飼い主さんと幸せな猫生をおくってきました。色んな病気をかかえながらも、病院も嫌がらず治療も受け入れていたのではないでしょうか。
病院、治療を嫌がる猫ちゃんは絶食したり隠れたりして全力で抵抗します。人間も終末期に治療が苦しい場合は無意識に抵抗するんですよ。
ちょりーなちゃんは良き獣医師にも恵まれてきたのでしょうね。
獣医師と相談しつつ、点滴のことをお話ししてみてはどうでしょうか。
もしかしたら点滴の止めどきかもしれませんよ。獣医師さんの立場からすると何もしない選択は「見殺しにした」と飼い主さんから非難される場合もあるので気休め程度に点滴をする事が多いです。
飼い主さんから、獣医師さんに声をかけてあげると、今後のこともお話ししやすいでしょう。
なかには例外もあって強い痛みなどがある場合は点滴に痛み止めを入れつつ、最後まで継続する場合もあります。
飼い主さんが、心を強く持って優しい気持ちで、側にいてあげてください。それが猫ちゃんの苦痛を消す方法のひとつです。
ちょりーなちゃんが苦しみませんように
令和5年3月24日 ゆるりねこblog運営主にゃあこ
ちょりーなちゃんのその後
ちょりーなちゃんに奇跡が起きているようですね。
いつ旅立ってもおかしくないと前回、獣医師さんに宣言されました。
今は飼い主さんとちょりーなちゃんの思い出作りの時期、エンジェルタイムかもしれません。
点滴も従来よりも減らしたりして、調整したりしているのがちょりーなちゃんにはいいようです。緩和ケアもうまくいってるようです。
飼い主さんと獣医さんの連携がよくとれているのですね。
病院は点滴をしてもらうところ、家はくつろぐところと分けるのもいいかもしれませんね。
ほんとにね、人間って弱いですよ。飼い主はやきもきしているのに
猫は死の直前でも、なんだろう…?堂々としていますよね(笑)
点滴の止めどきは、ちょりーなちゃんが決めるような気がします。
もう少し、飼い主さんの側にいたいようです。
とにかく少し回復して、私も嬉しく思います。お手紙を、もらった時は正直、もうダメかと思いましたよ。
元気に過ごしているのなら良かった、良かった!!
ちょりーなちゃんの生命力を信じましょ。ちょりーなちゃんは、きっと苦しまず
その日が来たら「もう充分生きたよ」と言って、すべてを拒否するかもです。
猫は強いんです。逆に私たちが励まされているようなかんじ、、、
令和5年4月9日ゆるりねこblog運営主にゃあこ
ちょりーなちゃんが虹の橋を渡りました
ちょりーなちゃんの飼い主さま、心よりご冥福をお祈りします。
お久しぶりです、お手紙を読んで正直、びっくりしました。あれから二回も誕生日を迎えられるとは。
奇跡が起きたのですね。
なんというか、病気より、老衰が先に訪れた理想的な最期だったと思います。ほんとうに良かったね。
皮下点滴もね、歩けて食べれる子なら最期まで続けることで楽になる場合もあります。
その判断がとても難しいんですが、獣医師さんと連携をとりながらが良かったのですね。
ネットで調べれば調べるほど、迷う終末期。沼にはまってしまうんです。頭でっかちになっちゃう。でも看取りは教科書通りにいかないのが現状だと思います。
私のブログがちょりーなちゃんの飼い主さんのお役に立てたなんて嬉しく思います。
飼い主さんと幸せに暮らせてたなら、最期の時にとる判断はどれも正しいと思うの。でも、判断を間違えてるのでは?と言う怖さもこの何年かはあったと思います。
看取りと向き合うのは恐怖も伴います。命と向き合うことになるから。避けられない
人間も猫も同じ命なんです。
最期は避けられず誰にでも訪れるからこそ、見送る心構えが必要になってきます。避けられないその日に立ち向かう勇気が必要です。
それはたった一度きりの人生に出会えた子ども達とのお別れ。悲しいし、飼い主の魂が削られるような痛みを感じるんだよね。
出会えてよかった、ちゃんと見送れてよかった。
見送られる方は心安らかに逝けます。残された飼い主は寂しいけどね。
お手紙を何回も読ませていただき、ちょりーなちゃんも飼い主さんもこの数年がんばって、一日一日を精一杯生きてこられたんだなと思い、涙なしで読めませんでした。
このお手紙は沢山の人の支えになることでしょう。
お手紙ありがとうございました。
すべての飼い主さまの猫たちが幸せで過ごせますように…
令和6年11月4日