点滴をやめるタイミング|猫の看取りちょりーなちゃんの場合

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チコちゃん
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終末期の点滴の止め時がわからない

止めるとどうなるの?

ちょりーなちゃんの飼い主さまから、そんな質問をいただきました。

口から食べれなくなり点滴をしても吸収されなくなる時がきたら点滴の止めどきでしょう。

終末期はどんな事がおきてるのか、誰にでもわかりやすい文章で解説していきたいと思います。

ちょりーなちゃんの飼い主さんからのお手紙

難しい選択だねぇ

■ お名前 ちょりーな

■ 題名 老猫の終末期 点滴(皮下捕液)を辞めるタイミング

■ お問い合わせ内容

こんにちは。
うちの猫は10歳を超えた頃から腎臓に始まり、甲状腺や肝臓などあらゆる臓器が異常値を示しながらもある程度穏やかに暮らしてきましたが
気付けばもう21歳間近となりました。
最期まで少しでも苦痛のないようにしてあげたい一心で様々な記事を漁り読んでいます。


その中でも素人にも大変わかりやすく大変参考になる記事を掲載して頂き感謝の気持ちでいっぱいです。

徐々に減ってきた体重もここ数ヶ月で2キロを切り
数日前よりごはんも水もほんのわずかしか口にしなくなりました。
現在は1日起きのペースで通院し点滴にわずかなビタミン剤と吐き気どめ(セレニア)を入れてもらっています。


そのおかげか点滴後1日くらいは吐き気がおさまるのか穏やかな表情にらりますが効果が切れると嘔吐を繰り返します。


見て頂いている先生は、補水の吸収量の低下や皮膚の固さ?などからこの数日で旅立ってしまっても不思議ではない状況という見立てです。


こちらのサイトで最期まで点滴をし続けるのは苦しみが増すと教えて頂きましたが、
辞めどきが分からず悩んでいます。

点滴を辞めたら吐き気どめも辞めることになり嘔吐で苦しむのではないかという点も心配です。


今は浮腫もなくおしっこも出ています。
点滴から帰ってきた日は少量ですがごはんを食べお水も飲みます。


吐き気が出てくるとどちらも受け付けず丸1日飲まず食わずになります。

繰り返しになりますが
最期までできるだけ苦しまずにさせてあげたい一心です。

ちょりーなちゃんの飼い主さん、点滴の止め時って難しいですよね?

お手紙で先生の意見が書かれていました。これは点滴しても水分が吸収されにくい状態であるということです。

見て頂いている先生は、補水の吸収量の低下や皮膚の固さ?などからこの数日で旅立ってしまっても不思議ではない状況という見立てです。

いつ、旅立ってもおかしくない状況だということは、、もう点滴の止め時かもしれません。

体が楽に逝けるよう準備をしているので吐き気が起こるのは自然なのです。終わりに向かっているのですからある程度の苦しみは、誰もが経験すること。

吐き気を止めてあげたいとのことですが、点滴を止めると何も食べなくなり吐き気も止まるでしょう。

飼い主さまの選択はこの二択

  • 点滴を続けて延命
  • 点滴を止めて逝かしてあげる

になるでしょう。

終末期は点滴が体の負担になることが多く、人間ならば苦痛をはっきり訴える人もいます。

亡くなる1週間ほど前になると、人の身体はもう水分や栄養を処理できなくなくなるからです。

ただ、点滴を止めると寿命が短くなることが、飼い主さん側のデメリットとなりましょう。

終末期は脱水状態の方が楽に逝ける

看取り期になると身体に様々な変化が起こります。

看取り期に起こる現象

  • しっかり歩けなくなる
  • 寝ている時間が長い
  • 食べれなくなる
  • 水分を摂取できなくなる
  • 排泄できなくなる
  • 点滴をすると浮腫む

木が枯れていくように、ゆっくりと終わりに向かっていきます。

この時に脱水状態になると意識レベルが低下し幸福ホルモンなどがでてくるようです。

しかし、この段階で水分を入れてしまうと意識レベルが改善されるので苦痛を感じるようになるんですね。

点滴で入れた水分を処理できずに、あちこち水が溜まります。肺に水が溜まってしまうと溺れるような苦しみを味わいます。

それらの事を頭で理解していても死と向き合う事は簡単ではないので、飼い主さんは

早く逝かしてあげたい

まだ生きていてほしい

このふたつの思いに苦しめられます。

いつかは誰もが死に向かうことは当たり前のこと。

猫らは命の尊さ、儚さを教えてくれているのかもしれません。

最後に

ちょりーなちゃんは20年以上、飼い主さんと幸せな猫生をおくってきました。色んな病気をかかえながらも、病院も嫌がらず治療も受け入れていたのではないでしょうか。

病院、治療を嫌がる猫ちゃんは絶食したり隠れたりして全力で抵抗します。人間も終末期に治療が苦しい場合は無意識に抵抗するんですよ。

ちょりーなちゃんは良き獣医師にも恵まれてきたのでしょうね。

獣医師と相談しつつ、点滴のことをお話ししてみてはどうでしょうか。

もしかしたら点滴の止めどきかもしれませんよ。獣医師さんの立場からすると何もしない選択は「見殺しにした」と飼い主さんから非難される場合もあるので気休め程度に点滴をする事が多いです。

飼い主さんから、獣医師さんに声をかけてあげると、今後のこともお話ししやすいでしょう。

なかには例外もあって強い痛みなどがある場合は点滴に痛み止めを入れつつ、最後まで継続する場合もあります。

飼い主さんが、心を強く持って優しい気持ちで、側にいてあげてください。それが猫ちゃんの苦痛を消す方法のひとつです。

ちょりーなちゃんが苦しみませんように

令和5年3月24日 ゆるりねこblog運営主にゃあこ

ちょりーなちゃんのその後

その後のお手紙ありがとう

■ お名前 ちょりーな

■ 題名 御礼

■ お問い合わせ内容

こんにちは。
先日メールさせて頂いたちょりーなの飼い主です。

その後、自ら食べてくれるようになり、人間の食べ物もねだるまで体力も気力も回復しています。
点滴の吸収も良くなり少し安定してきたようです。


なにより本人が機嫌良く過ごせている様子で、
いっときのことだとは理解していますが今はホッと胸を撫で下ろしています。

今も1日起きに通院し点滴は続けています。
獣医師にはその度に「本人が苦しむ結果になるのだけは避けたい。溺れるような苦しみの中で逝かせたくない」と、
しつこいほど伝えています。


今は安定して猫らしい生活ができているので、それのサポートとして有効であるが、
今後近い将来、点滴が苦しむリスクになる状態に近づいてきたら早めに辞める、ということで意見は一致しています。


(ちなみに、現在も1パック150ccの半分しか入れていません。
また、自宅での輸液も提案されましたが、元来頑固で気が強い割にはビビリでストレスに弱い性格の猫のため、
自宅だけは嫌なことをされないリラックスできる空間にしてあげたかったので通院を選んでいます)

猫を苦しませたくない目的が100%なら安楽死です。
ですが、まだ自ら食べ気持ちよさそうに日向ぼっこをし飼い主に甘え、老猫なりに今を一生懸命に生きています。


猫を見ていると本当に何もかも受け入れて今を生きていると感じます。先のことを思って不安になったりする人間のなんと弱い事でしょう。。。


今の状況で死に向かわせることになる点滴を辞めるという決断はできませんが
気持ちが弱くなった時にふと現れる「まだ死なないでもっと一緒にいたい」という欲に惑わされずに
こちらでアドバイスを頂いた「辞めどき」を逃さないようにしたいと思います。

最後になりましたが
こんなに早くお返事をくださっているとは思わずご連絡が遅くなっていましまして大変失礼いたしました。

ちょりーなちゃんに奇跡が起きているようですね。

いつ旅立ってもおかしくないと前回、獣医師さんに宣言されました。

今は飼い主さんとちょりーなちゃんの思い出作りの時期、エンジェルタイムかもしれません。

点滴も従来よりも減らしたりして、調整したりしているのがちょりーなちゃんにはいいようです。緩和ケアもうまくいってるようです。

飼い主さんと獣医さんの連携がよくとれているのですね。

病院は点滴をしてもらうところ、家はくつろぐところと分けるのもいいかもしれませんね。

ほんとにね、人間って弱いですよ。飼い主はやきもきしているのに

猫は死の直前でも、なんだろう…?堂々としていますよね(笑)

点滴の止めどきは、ちょりーなちゃんが決めるような気がします。

もう少し、飼い主さんの側にいたいようです。

とにかく少し回復して、私も嬉しく思います。お手紙を、もらった時は正直、もうダメかと思いましたよ。

元気に過ごしているのなら良かった、良かった!!

ちょりーなちゃんの生命力を信じましょ。ちょりーなちゃんは、きっと苦しまず

その日が来たら「もう充分生きたよ」と言って、すべてを拒否するかもです。

猫は強いんです。逆に私たちが励まされているようなかんじ、、、

令和5年4月9日ゆるりねこblog運営主にゃあこ

ちょりーなちゃんが虹の橋を渡りました

お疲れさま

差出人: ちょりーな
題名: ご報告

メッセージ本文:
2023年3月に相談させて頂きましたちょりーなです。
あれから誕生日を2回も(!)迎えることができましたが
ついに先週旅立ちました。
22歳4ヶ月でした。

週3日の通院を1年3ヶ月間続けましたが
通院が負担になってきたのか帰宅後に嘔吐するようになったため
自宅での皮下輸液に切り替え6ヶ月
先生にも「2kgを切ってからこんなに長く頑張れる子はいない、すごいすごい」と褒められ得意げな顔をしていました。

土曜日の昼にごはんを食べおしっこをしていつもの寝床に行って横になり、
それを最後に起き上がれなくなり、
意識も朦朧としているのか呼びかけても撫でてもほとんど反応もなくなりました。


翌日の日曜日の昼に脚のピクピクが始まり
30分後に10秒に1回くらいの頻度でしゃっくりのような息を数回し
最後は下顎呼吸を1回だけして逝きました。


最後まで呼吸苦もなく、意識がないせいか表情もとても穏やかでまるで子猫のような顔をしていました。
前日までの低空飛行なりの普通の生活から最期の症状まで、なんというかとても呆気なく感じました。

土曜日に起き上がれなくなった時、
これから寝たきりのお世話が始まるのかと思っていたのですが
1.25kgの身体には寝たきりでいる体力すらなかったのかなと思います。

腎臓と甲状腺(それに伴い肝臓も)が悪かったのですが
終末期の症状としては、口臭やよだれ、嘔吐、痙攣、吐血などの症状がなかったので
おそらく尿毒症ではなかったのではという獣医の見解でした。
病気の進行より老衰が勝ったのかなと思います。
(勝ったという表現もどうかと思いますが老衰を目標にしていたので)

つらいだけの延命ならやらないと決めていましたが、
結果的に1日前まで自ら歩きごはんを食べていましたので皮下点滴も量は減らしましたが1日前まで行いました。


幸いむくみや呼吸苦にならなかったので
余計に苦しめることになったわけではなかったのかなと思っています。

思えば22年前に家族になった時からずっと
最期の日の恐怖が常に心にありました。
失う恐怖よりも、判断を間違えてしまわないかという恐怖です。


当時20代前半のちゃらんぽらんな私は
覚悟もないまま成り行きで家族になってしまったのですが、
一緒に暮らし始めて1ヶ月くらい経った頃
何がきっかけだったのかは覚えていませんが、
幸せにするのも不幸にするのも私次第なんだ、と
事の重大さにハッと気が付き大泣きし覚悟した事を鮮明に覚えています。

ここ2-3年は、
最期の判断を間違えないようにする
目的であらゆるネット記事や書籍を読み漁りました。


読めば読むほどドツボにハマると言いますか、
元来あまり頭が良くない私には情報の整理がうまくできず余計に混乱していたのですが
そんな時は何度もこちらのサイトを読み
改めて、最期である事を認めることとエンジェルタイムを大切にすることを胸に刻みました。


おかげさまで本当に最期の最期までちょりーなとの暮らしは最高に楽しかったです。
もちろん淋しくって毎日泣いてしまいます。
でも泣き笑いです。

にゃあこ様
終末期や看取りについて
経験者の方のお話しをリアルに掲載し
それに対しての見解をここまでわかりやすく書いて頂くというサイトは他にはありません。
参考になるのはもちろんですが
避けられないその日に立ち向かう勇気を頂きました。
本当にありがとうございました。

最後になりますが、
全てのネコちゃんとその子を愛する方の幸せをお祈りしております。

ちょりーなちゃんの飼い主さま、心よりご冥福をお祈りします。

お久しぶりです、お手紙を読んで正直、びっくりしました。あれから二回も誕生日を迎えられるとは。

奇跡が起きたのですね。

なんというか、病気より、老衰が先に訪れた理想的な最期だったと思います。ほんとうに良かったね。

皮下点滴もね、歩けて食べれる子なら最期まで続けることで楽になる場合もあります。

その判断がとても難しいんですが、獣医師さんと連携をとりながらが良かったのですね。

ネットで調べれば調べるほど、迷う終末期。沼にはまってしまうんです。頭でっかちになっちゃう。でも看取りは教科書通りにいかないのが現状だと思います。

私のブログがちょりーなちゃんの飼い主さんのお役に立てたなんて嬉しく思います。

飼い主さんと幸せに暮らせてたなら、最期の時にとる判断はどれも正しいと思うの。でも、判断を間違えてるのでは?と言う怖さもこの何年かはあったと思います。

看取りと向き合うのは恐怖も伴います。命と向き合うことになるから。避けられない

人間も猫も同じ命なんです。

最期は避けられず誰にでも訪れるからこそ、見送る心構えが必要になってきます。避けられないその日に立ち向かう勇気が必要です。

それはたった一度きりの人生に出会えた子ども達とのお別れ。悲しいし、飼い主の魂が削られるような痛みを感じるんだよね。

出会えてよかった、ちゃんと見送れてよかった。

見送られる方は心安らかに逝けます。残された飼い主は寂しいけどね。

お手紙を何回も読ませていただき、ちょりーなちゃんも飼い主さんもこの数年がんばって、一日一日を精一杯生きてこられたんだなと思い、涙なしで読めませんでした。

このお手紙は沢山の人の支えになることでしょう。

お手紙ありがとうございました。

すべての飼い主さまの猫たちが幸せで過ごせますように…

令和6年11月4日

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